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Ms.Xの覚書
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第58回 正倉院展
2006年 10月 28日 *
昨日は奈良国立博物館の正倉院展に行ってきました。
短い会期に全国から観覧者が押しかけるので少しでも空いているときに、と思っていたら、博物館のサイトによると平日の閉館前が比較的ましなようなので、そこを狙いました。
大昔の戸籍帳やお宝の目録、お経なども興味深かったけど、なんといっても見た目に美しい道具の数々は面白くて見飽きません。
ポスターなどにも採用されている孔雀の刺繍が施された布「孔雀文刺繍幡」は、実物で見ると精緻な手作業がよくわかって本当に素晴らしかった。
「鳥毛篆書屏風」も実物だと鳥の羽根が貼り付けてある様子が細部までよくわかりました。
事前に軽く予習して出かけましたが、やはり写真や画像だけではわからないですね。
「金銀山水八卦背八角鏡」に刻んである細かい模様や詩の文字などは実物でもかなり近寄らないと見えなかったし。
「金銀山水八卦背八角鏡」は、紐で結んでいた跡が鏡面に残っているのも印象的でした。1300年前に実際に使われていたんですね…。特に馬具はそう感じました。つるりと丸みのある鐙は可愛らしいほどで、これを使っていたのだなあと。使用後は係の人が丁寧に手入れをしていたのでしょう。そして美しい形のまま現在に残されたのですね。
馬具の中では柿の木でできた鞍があって、その造形美には目が離せませんでした。紫がかったふかい色合いの木で、静かな光沢感も見惚れるほどでした。
白大理石に戌と亥を彫った「白石鎮子 (戌・亥)」や、緑色のガラスでできた大振りの楕円形の杯「緑瑠璃十二曲長坏」は、オリエントの影響が色濃く出ています。岡山でオリエント美術館をみてきたばかりなので、鮮烈に感じました。遥か遠くの異国からの輸入品は、今では考えられないほどの価値だったのでしょうね。
「犀角把白銀葛形鞘珠玉荘刀子」は長さ20cmに満たない華奢な刀です。高貴な人が腰に帯びる装飾品だったようです。あまり大きいと重くて大変ですものね。緑色のガラス玉と真珠をあしらった華唐草文で覆われた素晴らしい芸術品です。
真紅の鮮やかさに驚いたのが「紅牙撥鏤尺」。象牙を赤く染めて緑と黄で縁起の良い模様を描いた物差しで、儀礼用に使われていたと考えられているようです。特別展用のミュージアムショップではこれを象った定規を売っていて、なるほどなーと思いました。売れそうですよね。
少し仕事をしてから行ったので思っていたより到着が遅くなってしまい、5時半頃から見て回りました。金曜日は7時閉館だし出品はさほど膨大ではないので余裕があるかと思っていたのですが、じっくりみていたらわりとぎりぎりでした。途中で閉館30分前の放送が入ってしまい、最後の方は少し駆け足。
正倉院展は新館で、本館では「仏教美術の名品」という平常展が行われていたのでそちらもみたかったのですが、時間がなくて無理でした。ガラス戸越しに覗いてみたら、大きな仏様が展示されているのが見えて、かなり良さそうでした。残念…。
第58回 正倉院展_f0013029_1457999.jpg平常展は年に数日しか公開されない正倉院展とは違うので、また改めて行きたいです。
すっかり暗くなっているのになぜか独りで歩いている鹿、広い空には細い月…。夜の奈良公園もきれいでした。カメラを持って行けばよかったですね。

Powderのコーヒーロールとシフォンショコラをジャスミンティーで。
ほんわり軽くて甘すぎないここのケーキはやっぱりとても好みです。
和素材のものはちょっと素朴すぎるかなーという気もするんですけどね。
このほかにスティックのチーズケーキも食べちゃいました。
by pilsnerglass39 | 2006-10-28 13:55 | 展覧会・演奏会・演劇など | Trackback | Comments(0) *