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Ms.Xの覚書
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2007年 08月 06日 ( 2 )
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2007年 08月 06日 *
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生命力ほとばしるアイコ。
2007年 08月 06日 *
f0013029_10283838.jpg佐渡裕さんのオペラ『魔笛』を観てきました。
チケットを取るのに手間がかかったこともあってものすごく楽しみにしていたのですが、なんといっても一番期待していたのは夜の女王のコロラトゥーラ!

今まで聴き慣れていた『魔笛』はNikolaus Harnoncourt、Georg Solti、Bernard Haitinkの3つです。序曲の前半だけをみてもNikolaus Harnoncourtのテンポのよさに対して、Georg Soltiはゆっくり静かに始動して溜めてから一気に盛り上げ緩急をつけた演奏。Bernard Haitinkはその中間くらい、とまったく違いますよね。佐渡さんはどうかと思っていたら、けっこうゆっくりと始まりメリハリついてました。

今回の『魔笛』は前衛的な演出ということで、舞台装置も登場人物の衣装も現代風でした。
男性は普通のスーツ、パパゲーノはアウトドアスタイル、女性はスリップドレスなど。わたしはどちらかというと、時を超えて異世界へと誘ってくれる舞台の方がワクワクして好きなので、日常寄りに描かれていたのは少しもの足りなかった。
とはいえ、人物が意外なところから登場したり、火や水を使った演出、空間をいっぱいに使った動きのある演出、光を利用した繊細な演出など、魅力はいっぱいで大いに惹きつけられました。
登場人物が水をバッシャバッシャ跳ねらせるのはどうなんだろう。賛否両論ありそうですね。
斬新だし面白い、いやむしろ音楽に水音が合わさるのがいい、と考えるか。
せっかくの歌にやけに水音がかぶってしまう、と考えるか。
わたしは今回はなんとなく歌劇としての舞台というより演奏と歌を重視していたので、水音はちょっと気になってしまいました。
そもそも劇なんだからいいのかな。
どうも劇って安心して観ていられないんです。「転んだらどうしよう」とか余計なことを考えてしまって。
あとは、ザラストロに召集された僧達のスーツが一人一人少しずつ違う色になっているのがやけに気に入りました。

幕間にはシャンパンを片手に一息。
が、ドリンクコーナーは大行列。ようやく飲物を手に入れてもホワイエは大混雑で、優雅な雰囲気は皆無でした…。
ハコはたいしたものでしたよ。
兵庫県立芸術文化センターの大ホールは初めてだったのですが、壁や天井などがすべて木でできていて、見た目の美しさにも圧倒されました。
小さな音もはっきり聞こえて、音響もとてもよさそうでしたよ。(素人なので詳しくないですが…)。

演奏と歌は、それはもう素晴らしかったです。
ザラストロ(エリック・ハーフヴァーソン)の心に沁み入る低音は生だからこそ、ですね。
ずいぶんと官能的な夜の女王はジェーン・アーチバルド。第1幕の『恐れずに、若者よ』は歌が少し走ってるように感じられて「やっぱり苦しいから急いじゃうのかな」とハラハラしてしまいましたが、第2幕の『地獄の復讐が我が心に煮えかえる』はしっかり突き抜けてました。すごい!すごいです!!人間があんな声を出せるなんて~。
この日に向けて夜の女王のアリアを口ずさんでいましたが、オクターブ下げないと歌えませんもの。←あたりまえ
ほかの登場人物に比べてタミーノ&パミーナは少々面白みに欠けるキャラクターなので感情移入しづらいですが、それでもマリー・アーネット演じるパミーナの『ああ、私にはわかる』では澄んだ歌声の美しさに聴き惚れました。
パパゲーノとパパゲーナのパパパの歌は特にそんなに好きではなかったのですが、印象的な演出のせいもあってかこれまた素晴らしく、観ていて夢中になってしまいました。
意外なところで三人の童子もよかった。
子役なので心配していましたが、歌が上手でした。さすがに大人の中では声量はなかったけど、ドイツ語もそれっぽく聞こえたし。まだ小学生くらいだと思いますが、たいしたものです。

期待を裏切らない素晴らしい舞台に大満足です。
興奮が抜けなくて、しばらく我が家では偽・夜の女王がアリアを口ずさんでいそうです。